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ACCESS POINT 3 :第1話

ACCESS POINT 3   第1話

このお話はトーヤ×1stのBL小説です。
第3話目に女性向けの描写が出て来ます。あらかじめご了承ください。
ついでに文章力は皆無ですよ(笑)女性向けの描写もちろっとです(笑)
そして恐ろしく昔に書いたまま載せてます。

(このお話は同人誌「ACCESS POINT」及び「ACCESS POINT 2」の続きですが、読んでいなくてもトーヤ×1stというのを念頭に置いていただければ問題無いデス。)


1st主人公:たくみ

-1-
 


 
エンフィールドの街の人目につかない路地裏で一人の青年が煙草を吸っていた。

「ふー・・・・。」

煙草の煙とともに日ごろの疲れを吐き出すように深い溜め息をつく。

彼の名前はたくみ。フルネームは神部匠(かんべたくみ)。現在21歳。

1年間エンフィールドを離れ旅に出ていたのだが最近戻ってきた。

戻ってきた自分を迎えたのは変わらずにいた仲間達。黙って出て行った自分を何

も言わずに迎えてくれた。

「ふー・・・・・・。」

もう一度たくみは煙草を吸うと深く煙を吐き出した。

幸せのはずの毎日。エンフィールドへ住民票も移し正式にこの街の人間となった。

仕事も順調だ。

それでも何かが足りなかった。自分でもこれ以上何を求めているのかが解らず知

らず知らずに煙草の本数は増えていく。



「ドクターに見つかったらまた怒られるな・・・・」

自分が煙草を吸うことを知っているのはこの街の医師トーヤ=クラウドだけだった。

その医者に煙草は吸わないと自分から言った手前、彼にだけは見つかるわけには

行かなかった。

なぜならヘビースモーカーのたくみは実は日に3箱は軽く吸っていたからである。

そしてもう一つ、煙草を吸わないかわりにある取り引きを医者と交わした。

アイテヲスルコト。

・・・・・つまり、肉体的な関係を持つこと・・・・・。

しかしそう頻繁に会っているわけではない。お互い仕事も忙しく時間も合わない

為会うのはせいぜい月に数回程度。

互いに恋愛感情があればもっと頻繁に会ったりもするのかもしれない。

「ふー・・・・・。」

もう一度煙を吐き出すと短くなった煙草の火を消す。

キライではないと思う。口が悪くおよそ愛想がいいとは言えない医者の顔を思い

浮かべながら考えてみる。

それでも恋愛とは違う気がする。少なくとも悪友が毎日のようにしている恋愛と

はかなり違うし

居候している家の主アリサさんにふられたと話に聞いたはずなのに何故だかいま

だ諦めてない男の恋愛とは正直言ってほど遠い。

「恋愛じゃない。てことだけはわかる。」

ただの利害の一致。それだけの関係。

ポケットから煙草を1本取り出し火を付けようとして手を止める。

「やめとこ。・・・・帰るか」

取り出した煙草を元に戻したくみは家路につく。



9歳の時から1人で生きてきた。家族を亡くしたあの日から。



いまだに思い出せずにいる。家族を、周りの人間をただ好きで好きでたまらなか

った少年だった頃のあの思いを。
 

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