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星に祈れば

星屑の城七夕SS。

ティアクライス本編主人公→カナタ
星屑の城団長には特に名前は設定していません。

色々とネタばれありです。
本編、星屑の城共にです。
というか知っている事を前提のお話です。

それでもOK!ばっちこーい!という方のみどうぞ。








「・・・・-い!・・・・ナタ・・・・・・」

誰かが呼んでる・・・・誰だ?起こしに来るのはマリカかリウか?

「おい!カナタ!!」

「あー・・・・・起きるってば・・・」

「団長呼んでたぜ?早くしろよ」

わかったわかった。起きる。起きるってばでもあと5分・・・・・

団長が呼んでるし・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?」

団長って俺じゃね?

ガバっと起き上がるとそこには赤髪の少年。

「ようやく起きたか。カナタ。早くしないと怒られるぜ。特に団長以外のあの3人に」

少年が呆れ顔でつぶやく。誰だ?あれ?いや、まてよ知ってる・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・トッシュ?」

「?どうした?まだ寝ぼけてんのか?」

「んー・・・・・・なんか変な夢見てた気がする」

「とにかく。早く行けよ」

「わかったわかった。着替えたら直ぐ行くよ」

のそのそと着替えながら起きた瞬間に感じた違和感を疑問に思った。

「なんで俺、自分が団長なんて思ったんだ?」

なんでだろうと考えてはみるが・・・・

「ま、いっか」

早々に考えるのを止め、団長達のいる部屋に移動することにした。



「親父ー!なんか用か?」

「カナタ!お前な!ここではキチンと団長と呼べと言ってるだろうが!」

親しき仲にも礼儀ありだ!と女剣士は苦言を呈す。

「ハイハイ」

「ハイは一回!」

カナタの剣の師匠でもある彼女には結局どうやっても勝てないのだ。

が、

「わかりました。で、何の用?」

勝てないけれど聞いてもいないのがカナタである。

「はは。大したことではないけど夜中に抜け出してトビラを通るのはやめなさい」

「げ。ばれてる」

「やるならもっと気付かれないように上手くやらないと」

「そうそう。俺達はもっと上手くやったぜ?」

しれっと団長と軍師が言う。

「ほほぅ。詳しく聞かせてもらおうか。団長殿?軍師殿?」

それは初耳だなぁ?と2人に詰め寄る女剣士。

やはり彼女が星の兵団では一番強いと思う。

「で?今夜は何処行くんだ?」

「今夜はクーガんとこ!!」

「こら!そこのバカ親子!!人の話を聞け!!」

こそこそと2人で話していると怒りが飛んで来る。

「別に行くなと言ってるんじゃない。ただ寝る暇まで割いて行くなと言っている」

「えーだってさー。もったいないじゃん?」

「何がもったいないんだ!」

「やっぱ昼間はそれぞれ自分の世界でやることあるしさ。だからと言ってたまにだと

話す事多すぎて1日じゃ足りなくなるし。だったら毎日会って報告し合う方がいいじゃん?」

それに

「トビラを通れるのが嬉しいんだ。俺」

「?どういうことだ?」

「?」

「は?」

「・・・・・?」(←全く会話に参加していない4人目(笑))

「いや、俺もよくわかんないんだけどさ。トビラを通って色んな世界に行けるってのがさ

なんか・・・・上手く言えねぇけどすっっっっげぇ事だと思うんだ!

だから毎日でも通りたいんだ!」

自分でもなんでこんなにトビラを通る事が嬉しいのかはわからない。

けど毎日通って通りなれるはずなんだけど、何故か通る度にワクワクドキドキするんだ。

まるで初めて通るみたいに。

「そうか。確かにトビラを通って別の世界に行くっていうのは特別な事かもしれないな。

それに・・・どこか別の世界の自分はトビラを通る事が出来ないかもしれないしな。」

そう親父に言われてハッとする

「そうか・・・それも有り得るのか・・・」

当たり前にしている事が出来ない世界。

もしかしたら仲間の誰かがいないかもしれない。

そう、例えば親父とか。

いや、もしかしたら自分がこの世界にいないかもしれない。

そんな事が有り得るのだ。

今自分が大切な人達と生きる世界、大切な友人達が生きる他世界。

当たり前のように行き来出来る今の奇跡は何百万分の一なんだろう。

「俺達は幸せなのかもな。」

そう親父が言うので

「違う!幸せなのかもじゃなくて幸せなんだ!!」

そう言ってやった。

「ああ。そうだな。」







「・・・・-い!・・・・ナタ・・・・・・」

誰かが呼んでる・・・・誰だ?起こしに来るのはトッシュかガレガドか?

「おい!カナタ!!」

「あー・・・・・起きるってば・・・」

「団長だろー!!しっかりしてくれよ!」

わかったわかった。起きる。起きるってばでもあと5分・・・・・

俺団長だし・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?」

ガバっと起き上がるとそこには見慣れた親友の顔。

「ようやく起きたか。カナタ。早くしないと怒られるぜ~!特にマリカに!ニヒヒヒ。」

親友が楽しそうに笑う。あれ?なんでここに・・・・・?いや、あれ?

「・・・・・・・・・・・・・・リウ?」

「?どうした?まだ寝ぼけてんのか?」

「・・・・・・・・夢?」

「何の夢見てたんだ?」

「・・・・たぶん俺が生まれた世界・・・・の夢。

俺はこの世界に来てなくて生まれた世界で生きてるんだ。

でもやっぱりお前らとは親友でお互いの世界を行ったり来たりするんだ。

で、親父がいた。」

「そっかぁ・・・どんな人だった?」

「俺にそっくりだった!!んで親父が団長だった。」

「へぇ。やっぱり会いたいとか思うのか?」

「いいや。夢で会えたし。それに今後会えないとは限らないだろ?」

「でもカナタの生まれた世界って・・・・・」

「多分消えたんだろうな。トビラが通れねぇってことはさ。

でも会えないって決まったわけじゃねぇ。そんなの未来になってみなきゃわかんねぇよ!」

「ぷっ。カナタらしいな。」

2人で笑いあってると

「こらあ!!2人とも!!何やってんの!!!」

「げ。マリカ!」

「『げ』とは何よ!!『げ』とは!!」

カナタとリウの頭に拳骨を落とす。

「オレ 、カナタ呼びに来ただけじゃんー!何でオレまで・・・・」

「うるさい!直ぐに連れて来なかったんだからアンタも同罪よ!!」

「えー!そんなぁ~!」

「グダグダ言わない!!さっさと来る!!」

「「はーい」」





あの世界で生きるもう1人の自分が言っていた。今の奇跡は何百万分の一なんだろうって。

だったらこの世界で今の仲間達に会えたのだってきっと奇跡だ。

失ったものも、なくしたものも沢山あるけれどそれ以上に出会えた奇跡がある。



だから星に祈りを。



失ったもの、なくしたもの達にもう一度この先の未来に出会えますように・・・・・・



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